はじめに
アメリカのビザ申請を進めていると、突然こんな書類を求められることがあります。
「オーストラリアの無犯罪証明書(National Police Check)を提出してください」
「え、日本の証明書だけじゃダメなの?」「オーストラリアの警察に何をすればいいの?」
——わたしも最初、まったく同じ気持ちでした。
日本の無犯罪証明書の取り方はネットにたくさん情報があります。でも、オーストラリアの証明書、しかも指紋採取ありの取得体験をまとめた記事はほとんど見当たりませんでした。
この記事では、神奈川在住のわたしが実際に経験した手順をできるだけ詳しくまとめています。
特に東京都外に住んでいる方は、手続きの流れが少し複雑になります。同じような状況で困っている方の参考になれば嬉しいです。
この記事が参考になる人
- アメリカビザ申請でオーストラリアの警察証明書を求められた
- ワーホリ・留学でオーストラリアに6ヶ月以上滞在したことがある
- 東京都外(神奈川・埼玉・千葉など)に住んでいる
わたしについて
コロナ禍にマッチングアプリでアメリカ人の夫と出会い、2023年に結婚しました。
しばらくは神奈川で二人暮らしをしていましたが、2024年12月に夫が大学院進学のためアメリカへ帰国。
それからはひとり暮らしをしながら、2026年内のアメリカ移住に向けてビザ申請を進めています。
ビザの種類は配偶者ビザ(IR-1)。人生で何度もやるものではないので、手探りで進めている部分も多いです。
そんな中でぶつかったのが、今回のオーストラリアの無犯罪証明書の問題でした。学生時代にワーキングホリデーでオーストラリアに7ヶ月滞在していたため、日本の証明書に加えてオーストラリアの証明書も必要になったのです。
無犯罪証明書(警察証明)とは?

無犯罪証明書(犯罪経歴証明書とも言います)とは、その国で犯罪歴がないことを証明する書類です。犯罪歴がある場合はその履歴が、ない場合は「記録なし」が記載されます。
なぜビザ申請に必要なの?
アメリカの移民ビザ申請では、NVC(National Visa Center)から警察証明書(Police Certificate)の提出を求められます。
アメリカの移民法では、重大な犯罪歴を持つ外国人は入国が認められません。この証明書は「申請者に入国を拒否されるような犯罪歴がないか」を確認するためのものです。
日本の証明書だけじゃダメなの?
「日本に住んでいるんだから、日本の証明書だけでいいんじゃないの?」
わたしも最初そう思っていました。でも実は違いました。
アメリカ国務省のルールでは、16歳以降に6ヶ月以上滞在したすべての国の証明書を提出する必要があります。
理由はシンプルで、各国の犯罪記録はその国の警察機関しか持っていないからです。日本の警察庁には、あなたがオーストラリアにいた期間の記録はありません。「海外滞在中に何もなかった」という証明は、滞在した国の警察にしかできないのです。
証明書が必要になる主なケース
- ワーキングホリデーで6ヶ月以上海外に滞在した
- 語学留学・交換留学で6ヶ月以上滞在した
- 海外勤務・駐在の経験がある
わたしの場合は、オーストラリアでのワーホリ経験(7ヶ月)があったため、日本の証明書に加えてオーストラリアのNational Police Checkも必要になりました。
大まかな流れ

全体の流れを先に把握しておくと、手続きがスムーズに進みます。大きく3つのフェーズに分かれています。
フェーズ1|指紋採取の準備〜当日
- オーストラリア警察に指紋台紙を依頼・印刷する
- 公証役場に予約を入れる(霞ヶ関 or 神田)
- 当日:公証役場へ行き、警察庁担当者による指紋採取を受ける
- 同日:公証人の立会いのもと署名・認証してもらう
※指紋採取と公証はセットの手続きです。所要時間は約1時間。
フェーズ2|郵送〜完了通知
- 申請書類をすべて英語で記入する
- 郵便局からEMSでオーストラリア警察へ郵送する
- 約2〜3週間後:完了通知メール+PDFが届く
フェーズ3|原本受け取り〜ビザ申請へ
- 完了メールから数週間後:原本が郵送で届く
- ビザ申請書類に添付して提出する
この手続き全体でかかった期間:約3週間(指紋採取〜原本受け取りまで)
余裕を持ったスケジュールで動くことをおすすめします。
東京都外の人は要注意!予約〜当日の手順

都外在住者はこの順番で動くとスムーズ
- 地元の公証役場に空き確認
- 埋まっていたら東京の公証役場へ連絡
- 霞ヶ関 or 神田で予約を確定
- 指紋台紙をオーストラリア警察からPDF入手・印刷
まずは神奈川県警に電話で問い合わせ
指紋採取が必要と分かって、まず最初に住んでいる神奈川県警察に連絡しました。すると、以下のことを教えてもらいました。
- 指紋採取用の台紙は規定に合ったものを持参すること
- 警察側は日本の規定により署名ができないため、警察が正式に採取したことを証明するには公証人の立会いが必要
予約はなるべく早くが吉◎
結論:予約から当日まで約3週間かかりました。
3月6日に予約を入れて、実際に指紋採取できたのは3月25日。ただこれは東京の公証役場だったからで、神奈川の公証役場(横浜・桜木町)に問い合わせたら1ヶ月以上先しか空きがないと言われました。
ビザ申請にはNVCからの期限がある場合もあるので、指紋採取が必要と分かったらすぐ予約を入れることを強くおすすめします。
採取場所は霞ヶ関か神田のみ
神奈川の公証役場が埋まっていたため、職場近くの渋谷の公証役場に問い合わせたところ、「外国のビザ申請用の指紋採取に対応しているのは霞ヶ関か神田の公証役場のみ」 と教えてもらいました。
つまり、神奈川・埼玉・千葉など東京都外に住んでいる方でも、指紋採取のためだけに霞ヶ関か神田まで行く必要があります。
神奈川からの実体験ルート
自宅(神奈川)から霞ヶ関まで約1時間強。平日の日中に時間を確保する必要があります。
当日のルートはこうでした。
自宅 → 霞ヶ関(公証役場+警察庁) → 渋谷(職場)
公証役場と警察庁はセットで動くため、霞ヶ関で全て完結できました。
指紋台紙の入手方法
台紙はオーストラリア警察からメールで送ってもらったPDFをコンビニでA4印刷したものを使用しました。
印刷サイズも不明だったため事前にメールで確認したところ、A4サイズで問題ないとの返答をもらいました。
念のため予備も印刷して持参することをおすすめします(当日の持ち物セクション参照)。
当日の流れ

予約時間の少し前に霞ヶ関の公証役場へ到着。
受付で指紋採取の旨を伝えると、個室へ案内されました。
しばらくすると、警察庁の担当者の方が公証役場まで来てくださいました。警察庁に出向くのかと思っていたので、これは少し意外でした。
公証役場と警察庁は別々の建物ですが、当日は担当者が移動してくれる形でした。
個室での対応はとても丁寧で、落ち着いた雰囲気の中で手続きが進みました。
14:50 公証役場に到着・受付
15:00 警察庁担当者と合流・個室へ・指紋採取×2
15:30 手を洗って書類に署名
15:45 公証人に署名・認証
16:00 支払い・完成
所要時間は約1時間でした。
指紋採取は実際にどんなことをするの?
初めてだと「指紋採取」と聞いただけで少し緊張しますよね。実際の流れをお伝えしておきます。
担当者の方がインクをつけながら、わたしの手や指を直接持って動かしながら採取してくれました。
自分で押し付けるのではなく、担当者がリードしてくれる形なので、特に難しいことはありません。指を1本ずつ丁寧に採取していきます。
採取後のインクはウェットティッシュで拭いただけでは落ちませんでした。
手を洗える場所(洗面台)に案内してもらえるので、石鹸でしっかり洗えばきれいに落ちました。
当日は万が一汚れてしまった時のために、洗いやすい服装で行くと安心です。
ひとつ正直に書いておくと、担当の方もこの手続きに慣れていない様子でした。
というのも、外国ビザ申請用の指紋採取は通常、都民であれば警視庁が担当します。警察庁がこの手続きを行うのは都外在住者のケースに限られるため、対応件数自体が少ないようです。
だからこそ、事前に書類や手順をしっかり確認しておくことが大切だと感じました。
担当者任せにせず、自分でも流れを把握した上で当日に臨むことをおすすめします。
費用・持ち物・注意点
費用
・基本手数料 13,000円
・指紋台紙(1セット900円×2) 1,800円
・合計 14,800円
台紙は1枚600円ですが、書類のページ数によって1セット分の枚数が変わるようです。
わたしの場合は1セット3枚2通で1,800円になりました。事前に何枚必要か確認しておくと安心です。
支払いはカード・現金どちらでも対応していました。
当日の持ち物
公証役場から指定されたもの
- 指紋台紙(予備も忘れずに)
- 身分証(免許証 or マイナンバーカード)
- パスポート
念のため持参したもの
- 支払い用カードまたは現金
- ボールペン
- 印鑑(結果的に不要でした)
やらかしたこと2つ
申請書の用途ナンバーを間違えた
申請書に記入する用途ナンバー、アメリカ配偶者ビザ申請の場合は正しくは「33」です。
わたしは「35」と記入してしまっていて、提出前の最終確認で気づいて修正できました。(該当ページだけ新しく印刷して差し替えました)
提出前に必ず番号を確認してください。小さなミスですが、書類不備につながる可能性があります。
詳細は、アメリカ大使館のWebサイトなどをご確認くださいね。
コンビニで身分証を置いてきた
指紋台紙をコンビニで印刷した際、スキャン後に身分証をそのまま置いてきてしまいました。
当日の持ち物に身分証は必須なので、印刷後は必ず原本を持ったか確認してから店を出ましょう。
気づいた時、血の気が引いたよ、、、、
指紋採取後から無犯罪証明書の原本受け取りまでの流れ
指紋採取と公証が完了したら、あとは書類を郵送して待つだけです。流れ自体はシンプルですが、いくつか注意点があります。
申請書類をすべて記入する
申請書類は英語で記入します。日本語は不可なので注意してください。記入漏れや用途ナンバーのミス(前述)がないか、提出前に必ず見直しましょう。
郵便局からEMSで郵送する
書類が揃ったら、郵便局からEMS(国際スピード郵便)でオーストラリア警察に送ります。
EMSを選ぶ理由は、追跡番号があるので書類がきちんと届いたか確認できるからです。大切な書類なので、普通の国際郵便ではなくEMSを使うことをおすすめします。
完了メールを待つ
郵送から約2〜3週間でオーストラリア警察から完了通知メールが届きます。 メールにはPDF形式の証明書が添付されています。
わたしの場合は3月26日に発送して、4月15日に完了メールが届きました。
原本が郵送で届く
完了メールから少し遅れて、原本が郵送で届きます。 わたしは4月30日に受け取りました。
PDFと原本、両方手元に揃ったらビザ申請書類への添付準備完了です。
タイムライン
警察証明書取得に関してのタイムラインをまとめました。
| 時期 | 内容 |
|---|---|
| 2024/10初旬 | I-130提出 |
| 2025/11中旬 | NOA1 |
| 2025/12/04 | 名前照合のみの警察証明書をオンラインで申請 |
| 2026/01/04 | 証明書受け取り |
| 2026/01/28 | オーストラリアの犯罪経歴証明書に関する書類不備の連絡 |
| 2026/02頃 | 警察署、アメリカ大使館へ問い合わせ |
| 2026/03/06 | 公証人立会の指紋採取予約 |
| 2026/03 | オーストラリア警察に指紋採取の台紙について問い合わせ |
| 2026/03/25 | 指紋採取当日 |
| 2026/03/26 | 郵便局にて申請書類発送 |
| 2026/04/15 | National Police Check完了メール+ PDFが届く |
| 2026/04/30 | National Police Check原本が郵送で届く |
最初から指紋照合ありの手続きをしていれば、タイムロスもお金の無駄も少なかったのですが、、、
まあなかなかない経験をしたということで。笑
皆さんは間違えずに初めから指紋照合ありの手続きで進めてくださいね!笑
まとめ
オーストラリアの無犯罪証明書(National Police Check)の取得、正直なところ想像以上に手間がかかりました。
特に東京都外に住んでいる方は、公証役場の予約が埋まりやすいこと、指紋採取の場所が都内の場合は霞ヶ関か神田の2択になることなど、事前に知っておかないとつまずきやすいポイントが多いです。
ただ、ひとつひとつの手順を丁寧に進めれば、必ず取得できます。
同じ状況で困っている方の参考に少しでもなれば嬉しいです。
最終チェックリスト

さて、これから申請をする方のために、チェックリストを用意してみました。
手続きが難航している方や、対応漏れがないか心配な方はぜひ確認してみてください。
事前準備編
- オーストラリア滞在期間が6ヶ月以上か確認する
- オーストラリア警察に指紋台紙のPDFをメールで依頼する
- 台紙をA4サイズでコンビニ印刷する(予備も用意)
- 申請書の用途ナンバーが「33」または適切なナンバーになっているか確認する
- 地元の公証役場に空き状況を確認する
- 在住都道府県 or 霞ヶ関 or 神田の公証役場で予約を取る(早めに!)
- 当日の持ち物を揃える(身分証・パスポート・台紙)
当日編
- 公証役場に予約時間通りに到着する
- 指紋採取・公証人への署名を完了する
- 支払いを済ませる(2セットで約14,800円)
申請編
- 身分証明書のコピーを取る
- コンビニなどに忘れ物をしていないか確認する
- 申請書類をすべて英語で記入する
- 提出書類のコピーを取る
- 郵便局からEMSで発送する
- 完了メール(PDF添付)を受け取る
- 原本が届いたことを確認する